殺コメは『どちらかが相手の舌を噛み切らないと出られない部屋』に入ってしまいました。

60分以内に実行してください。

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「……らしいぞ、コウメイ。俺の舌を噛み切れ」

「できねぇだと?俺の顔と体の傷、いくつあるか知ってるだろ。今更舌がなくなろうが変わらねぇよ」

「お前の自慢はその口先だけだろうが。わかったらさっさとやれ」

 でも、と言い訳を探すコウメイの背中を壁に押し付けて、いつものように強引に唇を奪った。震え上がった小さな犬歯の裏に舌を押し当てて言葉なしで伝えてやる。その尖ったものでこれを噛み切れば全て終わるのだと。

「う、……ぐっ、」

 初めてフェラをやらせた時みたいに、喉奥で呻き必至に抵抗を訴えていた。どちらが傷つける側なのか、これでは埒があかない。

 長く鬱陶しい黒髪を鷲掴んで、今度はこちらから舌に歯を立てた。嘘や媚びをさんざん吐いてきた生粋の二枚舌はひくひくと震えていた。やらなければ、やられるのはお前だと言う意図は伝わったようだ。こうでもしなければ言う事を聞かないというのなら、これから教育方法を改める必要がありそうだ。

 やがてもう堪らなくなったのか、コウメイは俺の胸を強く突っぱねた。微かに食い込んでいた歯と舌が離れ際に強く擦れ合い、舌の先にじんわりと血の味が染みた。持っている力を使いきってしまったのか、コウメイは不規則な息遣いで壁に張り付き、ゆっくりと頭をうなだれる。乱れた長髪で表情は隠れているが、笑いたくなる程泣きそうな顔をしているに違いない。

「……あなたは、知らないかもしれないけど」

「僕はあなたの声、嫌いじゃないんです」

「簡単に舌切っちゃったら、もったいないでしょう」

「どっちがやるか、もっと喧嘩しましょうよ」

 完全に憔悴したと思っていたが、まだ虚勢を張るだけの意地は残っているらしい。

 

 ……正直、無意味な時間を消費するのは嫌いだ。ただ今のこいつとなら、59分59秒まで、舌先の駆け引きを楽しむのもいいかも知れない。